【マンガ論】SNSと漫画のキャラクターへの感情移入の関係性について。少年マンガ、特に恋愛マンガの危機。
SNSと漫画のキャラクターへの感情移入の関係性について。少年マンガの危機。
はじめに
ああ悲しいかな!!!
技術の発達によってわれわれはインターネットやSNSという便利なツールを手に入れたが、その一方で色々なものを失っている!! (ここでいうSNSとはTwitterやインスタといったメジャーなサイトに限らず、ネットに文章を書き込むあらゆる行為を指すことにする。)
よくいわれるのはどこでも簡単に連絡が取れるようになったせいで、恋愛物語特有の「すれちがい」が演出できなくなってしまったということだ。もしも2人が本当に通じあいたいのだったら、今のご時世、Lineでメッセージを送ればいい!!!あの娘を探して夜の街にくりだすなんてロマンティックなことを我々はしなくなった!!(いやこれは元からしていない)。
だが今回はそれとは別に、もう一つ違った弊害があることを語りたい!!!
それは今回の記事のメインテーマでもあるが、SNSが身近になったことが原因で、まわりまわって読者が登場人物たちに感情移入することが少々困難になっているということだ!!
続きを読む少年ジャンプ新連載『シューダン!』について思うこと。または少年ジャンプへの問い。
少年ジャンプ新連載『シューダン!』について思うこと。または少年ジャンプへの問い。
この記事書いた後、打ち切られましたね。一人一人のキャラを丁寧に描くと思いきや、キャラの掘り下げもしないうちにどんどん敵キャラを出して、主人公やナナセちゃんロクくんばかりにスポットライトを当てたせいで、単純な主人公持ちあげマンガに感じてしまい、失速したようにみえます。相当早い段階で期待してたものとは違う方向性に話が進み、悲しく思いました。記事は残しておきます。
横田卓馬先生の新作『シューダン!』がはじまって早5週間。このマンガは、間違いなく面白いです。
前作『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』が突然終わったことは残念でしだが、すぐにこのような素晴らしい作品が始まったのはうれしい限りです。
改めて言いますが、このマンガはすごく面白いです。末永く連載してほしいと思います。
その上で、あくまでこのマンガのファンだということをふまえた上で、このマンガについて考えたことを、いくつか批判的に書いていきます。念を押しますが、ここで言う批判とは、けっしてネガティブな意味合いを持ちません。ただ、少年マンガの「時代性」を考えるにあたり、いくつか言いたいことがあるだけなのです。そしてこの文句の向け先は決して作者の横田卓馬先生ではありません。また論とは言いつつも、内容は私の「推測」が基盤になっています。
■目次■
- 少年ジャンプ新連載『シューダン!』について思うこと。または少年ジャンプへの問い。
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それでは、最近の少年ジャンプ恋愛漫画はどうだろうか……
はじめに
前回は、最近のいろいろな少年漫画についてざっくりとまとめて考察しました。
mangaron-1990nenndai-umare.hatenablog.jp
今回は、思考に方向性を持たせるためにジャンプの恋愛漫画という条件に絞って、
「主人公の男の子」の特徴についてそれぞれ簡単なコメントつけました。
恋愛漫画に絞った理由は、女の子が大好きだからです。
続きを読む最近の少年漫画の主人公について
最近の少年漫画の主人公について
前回、『いちご100%』について語りました。
mangaron-1990nenndai-umare.hatenablog.jp
主人公の夢を追いかける姿と成長が作品の魅力の一つになっていると指摘しましたが、その一方で、時代の変化のせいで今後は『いちご100%』の真中のような主人公が誕生することは難しいのではないか、とも指摘しました。私が考える、真中のような主人公とはすなわち、
- 熱い夢を持っているものの
- 特別な才能があるわけではなく
- 実家が金持ちだったり、安定した家業を持っていたりすることもなく
- また学力が高いわけではなく
- また容姿が優れていたり運動神経がよかったりするわけではなく
- また将来性をまったく感じさせず、それどころか夢を追うにあたり不安要素が多々あり、
- 要するに夢を持っていること以外一般的な男子でしかないにも関わらず、
- 無我夢中で夢を追い続ける熱い姿が女の子にもてるまくる
というものです。
改めて考え直してみても、こんな主人公最近はあまり見た覚えがありません。
前回の記事で推測したように、「将来への不安」が強くある今の時代においては、夢を見て追いかけようと思い至ることが非常に難しいと思われます。とはいったものの、推測で語り続けるのもナンセンスです。最近の漫画について「将来への不安の有無」を調べるべく、恋愛漫画に限らずいくつかの漫画を分析しました。
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