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1990年代生まれの漫画論。

大事なこと・好きなことを忘れないように。欲しいものを叫び続ける。

最近の少年漫画の主人公について

 最近の少年漫画の主人公について

 

 前回、『いちご100%』について語りました。

mangaron-1990nenndai-umare.hatenablog.jp

 主人公の夢を追いかける姿と成長が作品の魅力の一つになっていると指摘しましたが、その一方で、時代の変化のせいで、今後は『いちご100%』の真中のような主人公が誕生することは難しいのではないかとも指摘しました。 ここで言う、真中のような主人公とはすなわち、

  • 熱い夢を持っているものの
  • 特別な才能があるわけではなく
  • 実家が金持ちだったり、安定した家業を持っていたりすることもなく
  • また学力が高いわけではなく
  • また容姿が優れていたり運動神経がよかったりするわけではなく
  • また将来性をまったく感じさせず、それどころか夢を追うにあたり不安要素が多々あり、
  • 要するに夢を持っていること以外一般的な男子でしかないにも関わらず、
  • 無我夢中で夢を追い続ける熱い姿が女の子にもてるまくる

というものです。

 改めて考え直してみても、こんな主人公は確かに他に見覚えがないですね。前回の記事で推測したように、「将来への不安」が強くある今の時代においては、夢を見て追いかけようと思い至ることが非常に難しいのです。とはいったものの、推測で語り続けるのもナンセンス。というわけで、少しでも思考の助けになるように最近の漫画について「将来への不安の有無」を調べるべく、恋愛漫画に限らずいくつかの漫画を分析しました。

 

 

分析と考察

最近の漫画をざっくりと以下の3つの軸で評価してみました。

 

              評価軸A:主人公が特別な才能や能力・環境持ちかどうか

              評価軸B:主人公に安定した将来像や家業があるかどうか・

              評価軸C:作中の時計の針が高校2年生~3年生まで進むことがあるかどうか。

 

Aについては主人公が『バクマン』のように将来職に困らないような天才 / 特殊なバックボーン持ちの人間かどうかを判断しています。

Bについては主人公に将来の展望のようなものがあり、少なくても路頭に迷うことはなさそうかどうかを判断しています。

Cについては作中で主人公が自分の将来のことや就職のこと、人生設計のことを考える機会(つまり高校2年生~3年生)があるかどうかを判断しました。なお連載が始まったばかりの漫画については考慮外にしています。

 

 これらA-Cのうち1つでも当てはまったならば、その主人公は将来への不安を感じることはないということですね。(あえてここで繰り返しますが『いちご100%』は将来への不安を描写しながら高校3年間を描き切った珍しい作品です。)

 

 取り上げた漫画は以下の通りです。なおファンタジー漫画は抜きました。(色つきは連載中の漫画です。表が長くなります。)

 

掲載雑誌 作品名 作者 連載時期
少年ジャンプ SKET DANCE 篠原健太 2007.33~2013.32
少年ジャンプ 初恋限定。 河下水希 2007.44~2008.26
少年ジャンプ バクマン。 小畑健(漫画)大場つぐみ(原作) 2008.37/38~2012.21/22
少年ジャンプ 黒子のバスケ 藤巻忠俊 2009.02~2014.4
少年ジャンプ めだかボックス 暁月あきら(漫画)西尾維新(原作) 2009.24~2013.22/23
少年ジャンプ あねどきっ 河下水希 2009.32~2010.07
少年ジャンプ ニセコイ 古味直志 2011.48~2016.36/37
少年ジャンプ ハイキュー!! 古舘春一 2012.12~連載中
少年ジャンプ パジャマな彼女。 濱田浩輔 2012.13~2012.4
少年ジャンプ 恋染紅葉 ミウラタダヒロ(漫画)坂本次郎(原作) 2012.23~2012.51
少年ジャンプ 斉木楠雄のΨ難 麻生周一 2012.24~連載中
少年ジャンプ 暗殺教室 松井優征 2012.31~2016.21/22
少年ジャンプ 食戟のソーマ 佐伯俊(作画) 2012.52~連載中
少年ジャンプ 火ノ丸相撲 川田 2014.26~連載中
少年ジャンプ 僕のヒーローアカデミア 堀越耕平 2014.32~連載中
少年ジャンプ 背すじをピン!と鹿高競技ダンス部へようこそ 横田卓馬 2015.24~2017.11
少年ジャンプ ものの歩 池沢春人 2015.42~2016.34
少年ジャンプ 左門くんはサモナー 沼駿 2015.43~連載中
少年ジャンプ ゆらぎ荘の幽奈さん ミウラタダヒロ 2016.1~連載中
少年ジャンプ ラブラッシュ! 山本亮 2016.38~2016.5
少年ジャンプ 青春兵器ナンバーワン 長谷川智広 2016.46~連載中
少年ジャンプ ぼくたちは勉強ができない 筒井大志 2017.10~連載中
少年ジャンプ U19 木村勇治 2017.11~連載中
少年ジャンプ ポロの留学記 権平ひつじ 2017.12~連載中
少年ジャンプ 腹ペコのマリー 田村隆平 2017.13~連載中
少年ジャンプ ROBOT×LASERBEAM 藤巻忠俊 2017.16~連載中
少年サンデー 神のみぞ知るセカイ 若木民喜 2008.19~2014.21
少年サンデー 境界のRINNE 高橋留美子 2009.21/22~連載中
少年サンデー 銀の匙 Silver Spoon 荒川弘 2011.19~連載中
少年サンデー だがしかし コトヤマ 2014.3~連載中
少年サンデー なのは洋菓子店のいい仕事 若木民喜 2015.19~2016.48
少年サンデー 初恋ゾンビ 峰浪りょう 2015.46~連載中
少年サンデー 天野めぐみはスキだらけ! ねこぐち 2016.03~連載中
少年マガジン BLOODY MONDAY 恵広史 2007.12~2012.17
少年マガジン 君のいる町 瀬尾公治 2008.26~2014.11
少年マガジン GE〜グッドエンディング〜 流石景 2009.38~2013.6
少年マガジン 我妻さんは俺のヨメ 西木田景志 2012.42~2014.43
少年マガジン ベイビーステップ 勝木光 2007.46~連載中
少年マガジン DAYS 安田剛士 2013.21・22~連載中
少年マガジン 金田一少年の事件簿R さとうふみや(漫画) 2013.52~連載中
少年マガジン 風夏 瀬尾公治 2014.11~連載中
少年マガジン ドメスティックな彼女 流石景 2014.21・22~連載中
少年マガジン 星野、目をつぶって。 永椎晃平 2016.19~連載中

 

そして分析した結果がこちらです。

 

作品名 A B C コメント
SKET DANCE     短期間でベースが引けるようになり学園祭で熱演するなど、異常なほど器用で多芸な主人公ボッスン。この人たちは少なくても「普通の高校生」ではない。キャラの過去話が重い。
初恋限定。       オムニバス形式の青春恋愛学園漫画。出てくる登場人物は全員が魅力的ながらも、あくまで普通の高校生で、各々がどんな未来を描こうとするのか非常に楽しみだったが、あいにく打ち切られてしまった。
バクマン。    
黒子のバスケ    
めだかボックス    
あねどきっ       お色気漫画。「やりたいことから逃げてはダメ」など一話から象徴的なセリフが目立つが、残念ながら打ち切られてしまった。
ニセコイ     ヤクザという家業を持つ主人公。
ハイキュー!!     高校生3年生キャラは秀才設定で将来どの道に進んでも困らなさそう。(東峰さんはよくわからない。)
パジャマな彼女。       幼馴染との距離感が魅力。「将来の話」「夢の話」などの構想はあったが、残念ながらただヒロインといちゃいちゃしている間に打ち切りが決定してしまい、たいして話を深められないまま終了。アフターヌーンで連載している青春バトミントン漫画『はねバド』が非常に面白いだけに、いつかまたこの作者には青春の恋愛漫画を描いてほしいと思う。
恋染紅葉       最初から最後までヒロインといちゃいちゃしていただけで、気づいたらそのまま打ち切り。将来の夢などの青春要素は皆無。
斉木楠雄のΨ難      
暗殺教室       殺センセーというドラえもんのような理外の存在のおかげで、生徒である主人公たちが将来失敗する未来がまったくみえない。
食戟のソーマ  
火ノ丸相撲      
僕のヒーローアカデミア    
背すじをピン!と鹿高競技ダンス部へようこそ     ダンス漫画。主人公は凡人。ラストで突然時間が高1から高3に飛ぶ。主人公たちは人並みの成績でほどほどのところでダンスをやめ、才能のある先輩たちはプロ入りという結末。将来への不安等の現実的な話はまったく出てこない。個人的に最高の終わり方をした作品の1つだと思っている。
ものの歩     プロの将棋士。打ち切り。
左門くんはサモナー      
ゆらぎ荘の幽奈さん      
ラブラッシュ!     主人公の家はケーキ屋さん。手に職持っている。打ち切り。
青春兵器ナンバーワン    
ぼくたちは勉強ができない       主人公はガリ勉で夢・目標等はない。まだ連載始まったばかり。
U19     まだ連載始まったばかり。打ち切られそう。
ポロの留学記   まだ連載始まったばかり。
腹ペコのマリー     まだ連載始まったばかり。
ROBOT×LASERBEAM     まだ連載始まったばかり。実は2017年頭に始まった新連載6本のうち『Dr. Stone』以外のこれら5作品はすべて学園もの。
神のみぞ知るセカイ     ギャルゲーで培った超人的な思考力。
境界のRINNE      
銀の匙 Silver Spoon       連載のきっかけはWikipedia曰く「その中でサンデーの読者層の話をした際に、中高生がかなりの確率で、将来のことを気にしてるというアンケート結果を聞き、ピンと来て「いけます」という話になった」とのことらしい。ただし将来やりたいことを見つけるまでの今のところ話の大部分をしめる。目標を見つけた後のテンポは非常に速く、高校生2年生の時期は単行本一冊あるかないか。まるで「成功譚」のあらすじを読んでいるような気分になる。「夢」を持った後の葛藤や成長をじっくりを描いて欲しかった。2015年以降ほぼずっと休載している。
だがしかし     手に職(?)を既に持っている。漫画家志望であるものの、成功しそうにない。いつでもホタルさんの会社が受け入れてくれる安心感がある。
なのは洋菓子店のいい仕事     洋菓子職人としての技術と店を既に持っている。
初恋ゾンビ       無趣味な省エネ男の高校一年生が主人公。故に趣味等の描写はほとんどない。まだ連載始まったばかり。
天野めぐみはスキだらけ!       主人公は東大を目指す秀才なガリ勉設定。特に夢目標はない。まだ連載始まったばかり。
BLOODY MONDAY     天才ハッカー
君のいる町       瀬尾先生の漫画の主人公は失敗なんてしない。
GE〜グッドエンディング〜       単行本あとがきをみると、作者が「成長」という言葉に拘っていることがわかる。ただし主人公は特に趣味や夢・目標・やりたいことを持っていたわけでなく、また努力をしていたわけでもなく、終盤で唐突に写真家という職業を手に入れている。
我妻さんは俺のヨメ     10年後主人公がサラリーマンしている姿がちょくちょく挟まれていて、将来失敗することはほぼないことがあらかじめ約束されている。ある意味、斬新な手法。
ベイビーステップ   テニス漫画。天才ではないかもしれないが、類まれなる動体視力と記憶力・分析力でプロ入りする実力を持つ。テニプリのような能力漫画ではない。
DAYS     走り続けることだけが取り柄な主人公。一年生ということもあり、主人公の進路の話はほとんど触れられない。
金田一少年の事件簿R      
風夏     瀬尾先生の漫画の主人公は失敗なんてしない。
ドメスティックな彼女       主人公は小説家志望。才能はあるものの、将来の成功が約束されていると思わされるほどのものではない。もしかしたら最近の漫画の中で主人公の立ち位置が『いちご100%』に一番近いかもしれない。ただしドメカノの主人公は非常に優秀な小説の指導者に恵まれていたり自身のドロドロな恋愛経験が表現力に寄与していたりしていて、普通の人はおおよそ手に入らない経験や環境を享受している。
星野、目をつぶって。       主人公は美術部。出会いと別れ、変わりいく対人関係が魅力の漫画。思春期の傷つきやすい心を題材にした漫画ではあるものの、夢と成長の青春物語からはほど遠い。まだ連載始まったばかり。美術家になる等の目標はない。

 

ABCに◎がなかった作品だけを抜き取るとこうなります。

 

作品名 A B C コメント
初恋限定。       オムニバス形式の青春恋愛学園漫画。出てくる登場人物は全員が魅力的ながらも、あくまで普通の高校生で、各々がどんな未来を描こうとするのか非常に楽しみだったが、あいにく打ち切られてしまった。
あねどきっ       お色気漫画。「やりたいことから逃げてはダメ」など一話から象徴的なセリフが目立つが、残念ながら打ち切られてしまった。
パジャマな彼女。       幼馴染との距離感が魅力。「将来の話」「夢の話」などの構想はあったが、残念ながらただヒロインといちゃいちゃしている間に打ち切りが決定してしまい、たいして話を深められないまま終了。アフターヌーンで連載している青春バトミントン漫画『はねバド』が非常に面白いだけに、いつかまたこの作者には青春の恋愛漫画を描いてほしいと思う。
恋染紅葉       最初から最後までヒロインといちゃいちゃしていただけで、気づいたらそのまま打ち切り。将来の夢などの青春要素は皆無。
暗殺教室       殺センセーというドラえもんのような理外の存在のおかげで、生徒である主人公たちが将来失敗する未来がまったくみえない。
ぼくたちは勉強ができない       主人公はガリ勉で夢・目標等はない。まだ連載始まったばかり。
銀の匙 Silver Spoon       連載のきっかけはWikipedia曰く「その中でサンデーの読者層の話をした際に、中高生がかなりの確率で、将来のことを気にしてるというアンケート結果を聞き、ピンと来て「いけます」という話になった」とのことらしい。ただし将来やりたいことを見つけるまでの今のところ話の大部分をしめる。目標を見つけた後のテンポは非常に速く、高校生2年生の時期は単行本一冊あるかないか。まるで「成功譚」のあらすじを読んでいるような気分になる。「夢」を持った後の葛藤や成長をじっくりを描いて欲しかった。2015年以降ほぼずっと休載している。
初恋ゾンビ       無趣味な省エネ男の高校一年生が主人公。故に趣味等の描写はほとんどない。まだ連載始まったばかり。
天野めぐみはスキだらけ!       主人公は東大を目指す秀才なガリ勉設定。特に夢目標はない。まだ連載始まったばかり。
君のいる町       瀬尾先生の漫画の主人公は失敗なんてしない。
GE〜グッドエンディング〜       単行本あとがきをみると、作者が「成長」という言葉に拘っていることがわかる。ただし主人公は特に趣味や夢・目標・やりたいことを持っていたわけでなく、また努力をしていたわけでもなく、終盤で唐突に写真家という職業を手に入れている。
ドメスティックな彼女       主人公は小説家志望。才能はあるものの、将来の成功が約束されていると思わされるほどのものではない。もしかしたら最近の漫画の中で主人公の立ち位置が『いちご100%』に一番近いかもしれない。ただしドメカノの主人公は非常に優秀な小説の指導者に恵まれていたり自身のドロドロな恋愛経験が表現力に寄与していたりしていて、普通の人はおおよそ手に入らない経験や環境を享受している。
星野、目をつぶって。       主人公は美術部。出会いと別れ、変わりいく対人関係が魅力の漫画。思春期の傷つきやすい心を題材にした漫画ではあるものの、夢と成長の青春物語からはほど遠い。まだ連載始まったばかり。美術家になる等の目標はない。

 

 

 ご覧の通りここまで数が減ります。しかも上の方は個人的に思い入れがあって入れた打ち切り作品です。

 

残った作品へのコメント

 打ち切り以外で残った作品は『暗殺教室』や『ドメスティックな彼女』のような優れた指導者がいる漫画だったり、『ぼくたちは勉強ができない』『天野めぐみはスキだらけ!』『初恋ゾンビ』『星野、目をつぶって。』のようにあえて主人公を「夢と成長」というテーマからは無縁な無趣味人間にして「無難に」学生生活を送らせようとする漫画だったりします。(しかも前2作の主人公は秀才設定です。平穏な人生送りそうですね。)

君のいる町』や『GE〜グッドエンディング〜』は唐突に主人公に職が降ってきます。普段はてっぺんからつま先までどっぷりと恋愛話をしているのに、本当に唐突に降ってきます。この世界線は「将来の不安」とは無縁な別世界なのだと納得するしかないです。

 そんななか、「将来への不安」に真っ向から挑んだ作品が、最後に残った『銀の匙 Silver Spoon』です。この漫画、自分はすごく好きです。悩める10代の少年少女のために捧げられたことがヒシヒシと伝わってきます。ただ悲しいかな、こういう作品に限って休載中です。夢を見つけた主人公八軒が現実と戦いながら成長していく姿は見られそうにありません。どの物語だって、いや誰の人生だって、夢を見つけようとあれこれ思案していろいろ挑戦している間は楽しいものです。実際に夢・やりたいことを見つけて、自分の将来をかけるべきかどうかを考え出す時期から、苦悩は始まります。この作品で私が見たかったものはこの苦悩の部分でした。しかしこの作品は八軒がやりたいことを見つけた瞬間、時の流れが急加速してあっという間に1年以上が経ち八軒たちはあっという間に高校3年生になってしまいました。夢を追う若者が将来のリスクや不安とどう戦いどう己を鼓舞していくのかという問題は、夢を見つけることと同じぐらい少年少女たちにとっては大事だったのではないかと思います。個人的にはむしろそれが大事だったはずだ、とすら思います。だって自分たち1990年代生まれの人間はリーマンショック以降ずっと不景気な話が続いて、自我が抑圧されてきました。それに八軒のような壮大なストーリーはないにしても、誰だって大なり小なり夢を見つけること自体は可能です。問題は、夢を追いかけることが今の時代では非常に難しいというところにもあったはずです。私は、特殊な技能や経験才能がない人間たちが夢へ向かってひたむきに走って行くという「前向きな話」を見ることで勇気をもらえることを期待していました。『銀の匙 Silver Spoon』の休載は、見せてもらえると思った欲しかったものが休載によって手に入らなくなってしまったという、まるで上げて落とされたような、非常に残念な気持ちにさせられるものです。

 作者の事情が事情であるため連載再開が非常に難しいことはよくわかります。ですからよしんば再開したとしても、完結に向けて時がまた一瞬で流されることになってもそれは仕方がないのかなと思います。荒川先生だって八軒の人生をもっと丁寧にじっくりゆっくりと描ききりたかったはずです。夢を追いかける八軒の姿を描くことで少年少女を励ましたかったはずなのです。それなのに作者自身の目の前に現実の壁が立ちはだかり、その結果、あえて失礼な言い方をしてしまえばこんな妥協の末みたいな仕方で物語を展開させ、結局作者は思った通り少年少女を励ますことができず、また少年少女はまたもや夢や希望を勇気づけられる機会を失ったとするならば、そのこと自体に私は暗澹たる思いを抱き、まるで失意の底をどんよりと漂いつづけているような暗い気分になるのです。この作品の休載は、現実はかくも厳しいという事実を真正面から突きつけたのです。

 

 というわけで、やはり『いちご100%』のような夢を追い続ける主人公は最近なかなかいないね、という話でした。

 いい話なにもなかったですね。長くなったのでここでおわりです。

 ※言うまでもなく、私は今も『銀の匙 Silver Spoon』のファンですし、荒川先生のことは応援しつづけています。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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